--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2006.04.02

百万回と一回

ふつうの生活の中にある、そこはかとない愛を描くことで、
ふつうではない「強さ」を獲得している。



「100万回生きたねこ」 佐野洋子 作・絵

百万回生きて、百万回死んだねこ。
ねこは、自分の「奇想天外な人生」に誇りを持っていた。
自分のことが、誰よりも好きだった。
死ぬのなんて、全然恐くなかった。

その一匹の白く美しいねこに出会うまでは・・・

最初ねこは、その白いねこの前でも「奇想天外な人生」を披露した。
「おれは,100万回も 死んだんだぜ。」
「おれ,サーカスの ねこだったことも あるんだぜ。」
そうすることで、誰もが自分に尊敬の眼差しを向ける。そう思っていた。
でも、白いねこは違った。
「そう。」
と、たった一言。
ねこの百万回の生死が、初めて意味を失った。

ねこにとっては、
その百万回の生死を自慢することが、自分を表現するということだった。
自分を大きく見せることが、他人に受け入れてもらうための唯一の術だった。
でも白いねこは、そうではないということを、ねこに気付かせた。
ねこは、白いねこに出会ってはじめて「自分の本当の気持ち」に向き合った。
自分が、本当はどうしたいのか、ということに・・・

そして、ねこは伝えた。
「そばに いても いいかい。」

白いねこは、ねこを受け入れ、
ふたりは共に、暮らし、子どもを生み、育て、歳をとっていった・・・
白いねこと共に過ごす一回きりの人生は、いたってふつうの様に見えた。
しかしねこは、今までの百万回の生とは違い、はじめて、
「いつまでも 生きていたい」と思うことができたのだった。
この記事へのトラックバックURL
http://lionni.blog42.fc2.com/tb.php/57-e80ac0e6
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
jasuminさん、ようこそ。
確かにこの表紙のねこは、
最後の愛のある「生」を生きている時のねこですね、きっと。
この目、間違いありません!

「鎧を降ろせる場所」、気付かずに
それでも傲慢にふるまってしまうこともあります。(笑)
(笑)ってる場合じゃないけど・・・
Posted by littleblue at 2006.04.04 06:47 | 編集
傲慢で高飛車で強くって、そんな鎧を降ろせる場所を見つけたことがねこのしあわせ?かな?
何度見ても、この緑の瞳と視線が合ってしまうのよね。
ぎゅ~って見透かされているみたい。「あなたにそんな場所ありますか?」って。おしまい。
Posted by jasumin at 2006.04.03 23:06 | 編集
こうめさん、ようこそ。

僕も立ち読みをしていると、
この絵本を探してくる若い人をよく見かけます。
そういう人はだいたい「ねぇ、これ!なつかしいぃ~!」
って言っているので、ああ、小さい頃に読んでもらったんだなぁって。
そんな記憶のない僕にはすごく羨しい。

そっか、ぼくには最初からけこ側からの視点しかなかった・・・
やっぱり、違うことって面白いですね!
一見悲しいんだけど、激しいくらいの愛、です。
Posted by littleblue at 2006.04.03 21:56 | 編集
オリーブさん、ようこそ。
僕も、一番って言ってもいいくらい好きなんです。

そうですね。
自分ひとりの幸せなんて、きっとあり得ませんね。
いつも誰かが関わっていてくれて、
相手の幸せを感じることで、
より自分の幸せも充実する気がします。

薦めて下さった先生の熱意も、
オリーブさんの幸せを想ってのことですね、きっと。
Posted by littleblue at 2006.04.03 21:48 | 編集
わたし、この絵本、
小さい頃はずっと悲しいお話だって、思ってたんです。

ハタチで本屋さんになって、
若い人がたくさん買っていくのにびっくりして、
なんでかなって読み返したら、
情熱的な愛のお話に変わっていて驚きました。

変わったのは、こちらなんですけどね。

女の子は、こんな愛へのあこがれが先に立って読んでしまいがちですが、
男の子の、ねこ側からのお話、新鮮。
佐野洋子さんは、きっとねこ側の人ですもんね。
おとなになってから、今はじめて、
この絵本に一歩近づけた気がしました。
Posted by こうめ at 2006.04.03 10:02 | 編集
私、これ好きですよ。
短大のころ、先生がものすごいすすめてくれたので、
熱意におされて読みました。

友人知人にしろ、家族にしろ、
一緒に幸せになりたいと思う相手があってこそ、
自分の幸せもあるんじゃないでしょうか。
と、私は思いました。
Posted by オリーブ at 2006.04.03 09:30 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。