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2006.08.05

hopeful monster

学生の頃、友人宅に集まっては、
映画を作りたい、とよく話し合っていた。
映画好きが数人集まる度にその話は出ていて、
だけど、いつも「語る」だけで終わっていた。

ある日、その中の一人が「よし、今日撮ろう。」と言った。
夜の8時過ぎ。それから4人でファミレスへ向い、
さすがにその日のうちに撮り始めることはできなかったが、
朝までかかってストーリーの構想を練った。
それだけではもちろん足りずに、僕ともう一人は、
翌日もさらに、深夜から朝にかけて「撮り方」について話し合った。
別の友人は作詞や小説などをやっていたので、シナリオを任せた。
何日かかるかは分からないが、
所詮、ごく個人的な自主制作映画だ(しかも8ミリビデオ)、
一気に撮り上げようと決めた。

最初の夜から3日目、
無理やりではあったけど、一応はまとまり、ついにクランクイン。
役者、監督、カメラ、すべてをその4人でまかなってのことだったので、
あらゆる点で制限された、狭い世界の映画だった。
撮影が始まって2日目、
ちょっとした意見の対立、4人の予定が合わないという理由で、
早くも1日、中休みが入った。
その間、僕はタイトルロゴのデザインをしていたが、
友人たちの集中は切れ始めていた。
そして休みが2日、3日と続き・・・それ以来、お蔵入り。
あらら。

ひどくあっさりと燃え尽きた、情けない製作班だったが、
その時の僕らは、個々の中に抱えきれない何かを持っていたんだと思う。
それが何者なのかは誰も自覚できていなかったが、
みんなそれぞれの形で、苦しんでいたことは確かだった。
そんなありがちな青春期の苦悩が、やはり僕らにも訪れていた時期。

最近になって、こんな言葉を聞いた。
「我々は皆、何かになりたいという希望を持ったモンスターである」
hopeful monster。
それは決して、醜い姿をした悪者ということではなく、
多かれ少なかれ、みんなそういう怪物を飼い馴らしながら、
日々を生きているんだという。

飼いならすことが上手い人はこの日常を、
とても良く生きていくことができるのだろう。
だけどそうではない(僕らの様な)人間は、日常では上手くやりきれず、
別の方法によっての解消を必要とするのかもしれない。
もっと繊細な人は、そのまま自らのコントロールの範疇を超えて
反社会的な、危うい方向へ行ってしまうのかもしれない。
そんな紙一重の、可愛い可愛いモンスター。

あの頃僕らは、自覚できないモンスターに苦しみ、
だけどそんな中でも、お互いのそれを無意識に認め合っていたんだと思う。
何かを共に作るということは、
お互いの中の怪物の、無償の認証行為でもあるんだと、
撮りかけの8ミリテープを探しながら、今思う。
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この記事へのコメント
miyacoさん、お忙しいところ、
厄介なモンスターに付き合って頂いてありがとうございます。

おっしゃる通り、飼いならすことが出来ている状態は、
決して「良く生きて」いる状態ではないかもしれませんね。
すんません。そこの所、よく考えずに書いちゃったなぁ。

「どこかみな似て見えて…。」、
飼いならすとは、ある意味、世間一般に合わせていくみたいなことですもんね。
そう考えると、モンスターが実は、その人そのものなのかなぁ。
飼いならすのではなく、上手く外へ出してゆく術(散歩?)こそ
会得したいものですね。

あ、「散歩な生活」ってある意味そういうことかな?

僕もまだまだ(littleどころじゃなく)青いです。(笑)
Posted by littleblue at 2006.08.08 07:04 | 編集
sundayさん、ありがとうございます。
相手のモンスターとの闘い、
そうか、そんなこともあるのかなぁ。なかなかの盲点でした。

sundayさんは相方の人(その中のモンスター)と、よくケンカされるのですね。
そんな時は、実はその相方も自分自身のモンスターと
闘っている最中だったりするのでしょうか。
モンスター同士が仲良くなるには、
まずそれを飼いならす本人の成熟が必要なのでしょうか。
う~ん、とても難しい問題です、頭がこんがらがって来ましたよ・・・(笑)

でも、いずれにしても、
そこまで考えて貰っているsundayさんの相方は幸せ者かなぁ、なんて。
お互い、相手のモンスターのことまで想い合いましょうね。
Posted by littleblue at 2006.08.08 06:53 | 編集
飼いならして「良く生きて」行くことは、
とても幸せそうに思えますね。
でも私は、hopeful monsterを飼いならせない人に、
魅力を感じてしまう人だなぁ。
だってその、飼いならされることを拒否したモンスターたちは、
いろいろな姿カタチをしているじゃないですか。
「良く生きて」いる飼いならされたモンスターたちの姿は、
どこかみな似て見えて…。
…私ったらまだまだ青い、
ということですかね(笑)
Posted by miyaco at 2006.08.07 22:11 | 編集
littleblueさんの記事とは、ずれちゃうかもしれないんですけど、思った事です。
私は、相方とよくケンカをするんですが、そんな時は自分達だけでなくて、自分と相手のモンスターも一緒にケンカしてるのかなって、想像してしまいました。
自分にとって大切な相手のモンスターが、少し自分と違っても、お互い認めあって、尊重しあって行きたいな。
私のモンスターと、大切な人のモンスターが仲良くしていられたら素敵だなって思いました(*^-^*)
Posted by sunday at 2006.08.07 19:45 | 編集
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